ツボの位置を示した模型
世界には、日本式鍼灸術以外に中国式、韓国式があります。中国式は、非常に太い注射針のようなものを用いることが多いので、刺入のときにかなりの痛みを伴い、韓国式も基本的には同じです。韓国ドラマでの鍼のシーンを思い出していただけますとわかりやすいと思います。
それとは全く逆に、日本式鍼灸術は非常に細い直径0.2mm程度(髪の毛の太さ位)の
針を用いて、ほとんど痛みなく施術が行えます。
「管鍼法」という、鍼の痛みを軽減する画期的な独自の技術も、日本で生まれました。
痛みからの解放は人間の自然な生理的欲求で、この欲求を日本の鍼灸は叶えてくれます。
はり・きゅうは“痛み”を軽減する作用があるため、食事・排泄・移動・整容・入浴など
日常生活動作を向上させ、生活の質(QOL)を改善します。
また、国産ヨモギから作られるモグサは世界最高品質であり、灸治療にはそれを使用します。
細い鍼を浅く刺入して世界最高品質のモグサを使って高い効果を得る―これが繊細で良質な
世界水準の日本独自の鍼灸、“Japanese Style ”はり・きゅう Hari-Kyuです。
〇 疲労回復・身体の軽さなど全身状態の改善、循環機能・呼吸機能などの改善
〇 活動性の回復・向上
〇 腰痛・膝痛、その他の疼痛の改善
〇 ADL(日常生活動作)の向上
〇 下肢の支持力・歩行状態の改善
〇 転倒予防・活動範囲の拡大
〇 食欲・胃腸症状の改善、栄養状態などの改善
〇 抵抗力・免疫力の向上
〇 睡眠状態の改善、排尿・排便状態などの改善
〇 睡眠の質などの改善
〇 T細胞系細胞数の増加、機能の活性化
〇 抵抗力の向上
※T細胞とは免疫メカニズムに関与するリンパ球の一種
〇 気分の改善
〇 精神状態・うつ症状の改善
〇 脳機能の改善
〇 認知症・精神障害の予防と改善
出典:松本勅編著(2013)『高齢鍼灸学―高齢者の保健・福祉と鍼灸医療』医歯薬出版
開催日 2019年2月21日(木)8時15分~17時30分
会 場 ベトナム国立鍼灸病院
主催者 公益財団法人 国際医療技術財団 公益社団法人 日本鍼灸師会
公益財団法人 国際開発救援財団
ベトナム政府保健省伝統医学局 ベトナム国立鍼灸病院
本セミナーにおける演題と演者は以下の通りです。
(1)良導絡自律神経調整療法 岡山県鍼灸師会 内田輝和会長
(2)経絡療法、接触鍼法 日本鍼灸師会 津田昌樹研修委員長
(3)社会健康医療学、伝統医療経済学 未来工学研究所 小野直哉鍼灸師
(4)臨床心理鍼灸 日本鍼灸師会 南治成副会長
本セミナーの最後には、鍼灸に関する日本メーカーであるセイリン株式会社と株式会社 山正の製品紹介説明を行いました。
将来ベトナムへ日本鍼灸を普及することを目的に、ベトナムで指導的立場にある伝統医学医師4 名を本邦に招聘し、日本鍼灸の医療現場、教育研究機関及び鍼や灸の製造企業並びに災害現場における鍼灸医療活動について研修を実施しました。
今後、臨床、教育、研究分野でベトナムにおける日本鍼灸医療協力をさらに押し進めていくこととなりました。
開催日 2019年11月11日(月)~15日(金)
協力団体 公益社団法人 日本鍼灸師会、認定NPO法人 AMDA
岡山県倉敷市真備町、岡山県総社市、東京大学医学部附属病院
明治国際医療大学、帝京平成大学
参加者 ベトナム国立鍼灸病院 チャン・ヴァン・タイン院長
ベトナム国立伝統医学病院 ヴー・ナム院長
ベトナム伝統医学大学 ファム・クオック・ビン副学長
ベトナム国立ホーチミン市伝統医学病院 トゥオン・ティ・ゴック・ラン副院長
11月11日(月)災害鍼灸研修(岡山県倉敷市真備町、総社市)
11月12日(火)鍼灸国際シンポジウム
(明治国際医療大学・附属医学教育研究センター)
11月13日(水)灸製造工場視察研修、
灸法デモンストレーション研修(株式会社 山正)
11月14日(木)鍼製造工場視察研修、
鍼法デモンストレーション研修(セイリン株式会社)
視察研修(東京大学医学部附属病院鍼灸治療部門)
11月15日(金)良導絡自律神経調整療法デモンストレーション
(良導絡研究所・鍼灸治療院)
災害鍼灸 講義(帝京平成大学鍼灸学科)
日本鍼灸医療協力プロジェクト形成のための
日越合同ワークショップ
私たちは次のようなことを実現するため、ベトナムをはじめ海外で日本の伝統医療の紹介セミナーを開催し、普及を目指していきます。
〇 患者の自然治癒力を引き出して免疫力を高める
〇 子供にやさしい医療の提供
〇 高齢者の介護予防・機能回復訓練
〇 太くて長い針や外傷疾患などの痛さからの解放
〇 台風・豪雨・地震などの自然災害に災害鍼灸を実践
〇 早く、いつでも、どこでも――治療アクセスの改善
〇 患者の経済的負担や増大する医療費の低減化
〇 スポーツ医学の振興……課題は山積しています。
世界中で利用されている鍼灸ですが、なかでも繊細な日本の「はり」は、痛みも少なく、とても人気があり、「灸」は世界最高の艾(もぐさ)が使用され、肩こり・腰痛といった整形外科的な疾患はもとより、ストレスや倦怠感など、心と体の問題を抱える患者さんが鍼灸治療を受けに
治療院へ通っています。
この日本式鍼灸術を用いた医療サービスをベトナム国民に理解していただき、ベトナムの子供やお年寄りを一人でも多く救えるよう一生懸命取り組んでいきます。